keisuke terada 個展『GOOD JOB CHANTS』
会期:
2023.11.12 Sun -11. 26Sun
13:00 〜 20:00
休館 月曜日・火曜日
Closed on Mon & Tue
会場:
Feb gallery Tokyo
この度Feb gallery Tokyoでは、keisuke teradaによる絵画個展「GOOD JOB CHANTS」(直訳:良い仕事への讃歌)を開催いたします。
まだ薄暗い空の下、同僚たちと一緒に重いシャッターのふちをしっかりと持って、上げる。一日が始まる。
そのように、日常の中には誰かと誰かの呼吸がふと合わさる瞬間があります。ksk/keisuke teradaはそのリズムをLock(静止)し、アクションを取り出してMark(記号化)することで、刹那的な時間を永遠のものとしています。
せわしない生活の中で偶発的に起きるセッションを描くksk/keisuke teradaの作品からは「何はともあれ、GOOD JOB!」と人々の営みを応援するチャント(讃歌)が聞こえてくるかのようです。
Feb gallery Tokyo is pleased to present "GOOD JOB CHANTS" a solo exhibition by a painter, keisuke terada.
Under the still dim sky, together, my coworkers and I hold up the heavy shutter firmly and open it up. The day begins. In everyday life, there are moments when someone's and someone else's breathing aligns spontaneously. Within that rhythm, ksk/keisuke terada takes out the action, locks (stills) and marks (symbolizes) it, bringing eternity to that moment. In ksk/keisuke terada's works, which depict the sessions that occur casually in our busy lives, we hear the chants of people cheering for their activities, as if singing "Well, anyways, GOOD JOB!”
keisuke terada
/ksk
20歳のNYでそのカルチャーからの影響を確信し自ら表現する事を決意。 クラブイベントで始めたライブペイントをきっかけに、以後ストリートアートや絵画など多岐にわたる手法を取り入れたアートワークを制作している。
When he visited New York at the age of 20, he was influenced by the strength of the culture and decided to express himself through art. He began participating in live painting events, and since then, he has been creating artwork adopting a variety of techniques from different cultures such as street art, fine art, graphic design, etc.
Instagram: @kskmaltitype
作家コメント
artist statement:
まずはなぜこのような絵になってるか、自己紹介を兼ねてお話ししたいと思う。
自分が幼稚園の時。と言ってもそこから順に始める気はないよ。
僕が通っていた幼稚園はちょっと変わっていて、行ったことも見たこともない地震があった街の絵を描くという授業があった。
それがもしかしたら、「頭で想像したものを絵に描く」ってことの種みたいなものだったのかもしれない。時は流れ、種から出た芽は今にも伸びてるのかもと。
細かいことを気にせず勢いをそのままに線を引ける大胆なシルエットがいいな。
シンプルでパッとみたらわかる顔、少し可愛く少し不思議な感じ、うんこれで行ってみようか。
当時の感覚でデザインしたと言ってもいいアイコンができてから今、こういう絵になった。
「日常」だけど少し普通じゃなくて、本人すらも気が付かないような誰か・何かとシンクロする感じ。「今の感じ何?」いや、もっと後で「ん?あの時、、、だったよな」いやいや数年後「なんだったっけこれ?」そんな瞬間がとてもグルーヴとかソウルフルだなと思っていて。
そのイメージを、僕がずっと取り憑かれてるニューヨークに合わせて見たりしている。
最近は風景画のようにも思えてきた作品たち。
念願の初めてのニューヨークは20歳の春先、たった二週間の滞在だった。
あの風景が忘れられなくて、その幻影を妄想して絵を描いているんだ。
本当はそんな場所ないのかもしれないけど、遠い記憶や距離が自分をワクワクさせてくれてる。
少し肩の力が入りすぎたなって時がある。もちろん絵のこと以外でも。
そんな時は、ROCKSTEDYというジャンルの曲や、有名な昔のJAZZを聴く。ほんとうに昔からお世話になっている。
ROCKSTEDYはレゲエのクラシック(?)みたいな感じなんだけど、何も考えずにずっと聴けて、気がついたら腰を揺らしながら作業してるんだけど、そんな曲に似合うカバージャケットのような絵が描きたいなと思ってつくり始めた作品たち。
好きな映画のダンスシーンをモチーフに絵柄をいくつか描いて、同じ絵を使い回したり。
それに合わせる柄はとにかくROCKSTEADYやJAZZのあの名曲のジャケットにありそうな難しくない形や色を使う。いくつも同じような絵が出来上がるんだけど、いいんだ、僕は柄物のファブリックが大好きで、デザインの仕事の時はコピーペーストは得意技。そんな感覚が今も気に入って描いている。
このアイコンを描き続けていたら、ついつい無理なポーズを取らせちゃう。
もう「描いてないポーズなんて無いか。」と思えてきちゃう。
「ん?このシンプルな絵面(自分的に)を全て知った気でいるのか?」となり始めたときに描いたのが、ラフに外枠を描いてしまい、後から顔や腕をその中に押し込んでいくクロッキー作品。ポーズをつくるために手腕を生やしていく今までの発想の真逆。これが愛くるしいさまざまな格好をしててとても気に入っていて、他の絵のポーズにもお気に入りが増えてきた。
いつの間にかまだまだ話したくなったけど今はこんな感じ。
こういうことを聞いてくれる機会だからもう少し。
絵はもちろん、たくさんの人やカルチャーからの刺激が今の自分の創作物を形成してることは間違いない。明確にコレ!というのもあるし、そういう人や物に感謝してもしきれない。でも、いつも見てるだけだった。どうしても僕のものではない、ならない感覚がこびりついていて、音楽や映画は好きになればなるほど遠ざかっていく。
自分にできることで、少しでも彼らが感じた感覚を味わいたいと思っているのかもしれない。